造形精度について
積層精度について幾つかのプリンターでは最小0.01mmから指定できるとなっていますが、この数値が意味の無いことを御説明したいと思います。
ご存知のように多くのFDM形式のプリンターでは、最終的にフィラメントが出てくるノズルの口径は0.4mmのものが大半です。
その理由は使いやすさ(詰まりにくさ)と造形の綺麗さを天秤にかけ、一番バランスが良い大きさとなっています。
従って3次元的にはX,Y方向の精度は最小で0.4mmとなります。しかし高さ(Z方向)はステップモーターの許す限り可能ではありますが、現実0.4mmの粘土で積み上げていく場合を想像すると分かりますが0.01mmでの積み上げは重なる部分が多すぎて、意味がありません。
重なった部分はノズルに削られ、はみ出し押し出されて綺麗な造形は期待できません。
ZortraxはABSを主体として、どのくらいの積層が時間と表面の綺麗さを最もバランスよく両立させる方程式を完成し、オリジナルのスライスソフトZ-Suiteを提供しています。
通常3Dプリンターでは積層痕をできるだけ見えないようにしたいということで、レイヤー値を小さくしたい欲望が沸いてきます。
Zortraxではフィラメントの種類によって最小値が決められています。
Z-ABSの場合は0.09mmです。
しかし、弊社ではテストサンプルに0.14mmを推奨しています。
なぜならば最小の時間で、最高の結果が得られるからです。
0.4mmのノズルで0.14mm間隔の積層で重なる山を埋めていくノウハウがZortraxにはあります。
他のプリンターと比べてみれば
表面の綺麗さは一目瞭然です。
Ultimaker3にて0.02mm積層実験
造形時間 4時間43分
0.09mmでも重なってはみ出したフィラメントを処理するために、射出量のコントロールを行っていますが部分的に破綻してきています。
材料によって最小値は違いますが、射出量を減らせばノズル内で詰まる可能性が増します。
いたずらに最小値を求めても、結果はついてきません。
Ultimaker3にて0.29mm積層実験
造形時間 22分
M200にて0.29mm積層実験
造形時間 21分
Ultimaker3にて0.19mm積層実験
造形時間 32分
M200にて0.19mm積層実験
造形時間 27分
Ultimaker3にて0.14mm積層実験
造形時間 45分
M200にて0.14mm積層実験
造形時間 34分
Ultimaker3にて0.09mm積層実験
造形時間 65分
M200にて0.09m積層実験
造形時間 47分